坂の多い町

上町台地はほぼ平坦な道がない…
と言ってもいいくらい坂が多い。
名前のついた坂、名前のない坂
たくさんの坂があります。

事務所近くの『観音坂』は
谷町筋から少し入っただけなのに
車の騒音も聞こえず嘘のように静か。

昔ここには境内に見事な藤棚のある
「和勝院」というお寺があり、
御本尊が観音菩薩であったので
この名がつけられたと言われています。 
いまは坂だけが残っていますが
夕方に坂を降りると沈む夕陽が美しく
往時を偲ぶことができます。
 
観音坂から歩いて10分ほど。
高津宮へ続く石段の『相合坂』は
 北からあがる男坂
 南からあがる女坂
それぞれ男女が2つの坂を
両方から同時に登り踊場で出会えたら
それはとても良縁だと言われます。
 
上町台地を南にへいくと
有名な『天王寺七坂』があります。
真言坂・源聖寺坂
口縄坂・愛染坂
清水坂・天神坂・逢坂
それぞれの坂からの眺めは今も美しく
歴史ある坂ばかりです。

大阪の坂めぐりはいかがでしょう。

ジャネーの法則

今年もあと少しですね。
今年もあっと言う間でしたねー。
そんな挨拶が多い今日この頃。

そういえば、大人になると
子どもの頃より時間が早く感じる。
歳をとるごとに一年が早く過ぎる。
そう思われたことはありませんか?

これ 『ジャネーの法則』 です。

ジャネーの法則によると
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時間の経過の早さは年齢に比例し加速する。
  1歳の時の一年は全人生の1/1
  2歳の時の一年は全人生の1/2
 10歳の時の一年は全人生の1/10
 50歳の時の一年は全人生の1/50
=================

つまり年をとるごとに人間が体感する一年は
相対的に短くなるということですね。

でも自分で減速することもできます。
子どもの頃は初めて経験することが多く
日々の生活にワクワクドキドキして
新鮮味や発見がたくさんあります。

年齢とは関係なく
新しいことにチャレンジしたり、
色々な情報にアンテナを張り巡らせたり
一生懸命なにかに没頭していると
時間が長く感じるということです。

毎週末、趣味に没頭したり
なにか大好きなことを楽しんでると
『次の週末が待ちどおしい』と思えます。

あなたが夢中になれるものは何ですか?

浪華仮病院跡

大阪で医学と言えば…
緒方洪庵、適塾、大阪大学などが浮かびます。
医学にだけテーマを絞っても
大阪は数多くの歴史が重なった場所。
上町台地のあちこちには
歴史が動いた痕跡が色濃く残っています。
 
今日ご紹介するのは「浪華仮病院跡」
 
幕末から明治に時代がかわり、
新政府は大阪に医学専門教育学校と
病院建設を計画しましたが、財政難の為、
「大福寺」境内に仮病院を設立しました。
 
緒方洪庵の二男「緒方惟準」を院長に
オランダ人医師「ボードウィン」を
主席教授として診療をスタートしました。
ご存知のようにボードウィンは
幕末〜維新にかけて、日本各地で蘭学を広めた医師。
  
その後、病院は現在の大阪医療センター付近に移転、
そして「大阪大学医学部」へと発展していきました。 

また上町台地を西へくだり谷町筋を越え
「高津宮」へ向かう途中に、幕末〜維新時から
ボードウィンが寄宿していた「法性寺」があります。
「法性寺」は坂本龍馬が新選組に追われた時に
潜伏した隠れ寺だったという伝承も残っています。

ポトス

事務所には観葉植物がたくさん。
色々な種類があるけれど、
ポトスは伸びたら切って、水に挿して
どんどん増えていった。
 
事務所だけでなく、自宅にも持ち帰り
それもスクスク育ってまた切って…
家もポトスだらけになってる。
お嫁に行かせたものもあわせると
どのくらい育てたかわからない。
でも、ポトスは買ったことがない。 

ポトスとの出会いは30年以上前。
最初に出会った一鉢は
ビルのゴミ捨て場に置かれてた。 
水が欲しいだけでなく、
寂しいのだろう。心細いのだろう。
うつむいた葉がこちらを見て
「連れて帰ってよ」…とささやく。
  
管理人さんに頂きたいとお伝えすると
「ぜひぜひ!」と言っていただき
事務所に連れて帰って30年。
 
その最初に出会った鉢植えのポトスは
土を落として水栽培にして
いまは自宅でゆっくり隠居。
 
もしポトスが話せたら…
「いろいろあったよね~」と
昔話などゆっくりとしてみたい。

道の真ん中の御神木

大阪市内には、道路の真ん中に御神木をお祀りする社が何ヵ所かあります。
 
当社から歩いて7~8分、谷町7丁目交差点東に楠木大神があります。熊野街道からほんの少し西の道路の真ん中に、15メートル程の御神木とご神木を護るように寄り添う大きな椚の木が立っています。
 
道路の真ん中にあるので歩道から手を合わせる人も多いですが、東側から4つの白い鳥居をくぐると祠があり、白蛇が祀られています。地元では「くすのきさん」と呼ばれ親しまれています。
 
戦前ここには「本照寺」というお寺があり、御神木はその境内にありました。戦争中の道路拡張工事の際、この御神木を伐採する計画もあったようですが、地元住民の反対があり残ったようです。その後も何度か強引に伐採しようとしたようですが、工事関係者に不思議な事故が起き、中止になったこともあり、今もこうしてこの地域を見守り続けています。
 
多くの歴史が重なりあう上町台地。歴史の表舞台には出てこない伝承や、歴史が動いた当時の名残がたくさんあります。

「くすのきさん」の近くには近松門左衛門の墓や、大阪で医学教育に貢献したボードウィン縁のお寺や場所もたくさんあります。
ちょっと時間ができた時、足を運んで歴史に触れてみませんか?

秋のお彼岸

もう9月…と思っていたら
もう秋のお彼岸。

こどもの頃。
秋の到来は彼岸花が教えてくれた。
お彼岸は、近所のおばあちゃんが
小豆を煮る香りが教えてくれた。
  
その頃は和菓子よりも
ケーキやシュークリームや
洋菓子が魅力的だったけれども
黄な粉をまぶしたおはぎは好きだった。
  
春のお彼岸の「ぼたもち」と
秋のお彼岸の「おはぎ」。
どう見ても違いがわからないので、
近所のおばあちゃんに聞いてみた。
すると「同じものだよ」と。
 
春のお彼岸には牡丹の花が咲き
秋のお彼岸には萩の花が咲く。
季節の花と一緒に
彼岸にいる大切な人に喜んでもらおうと
そう呼ぶようになった…と。

それが定説かどうかは別として
こども心に素敵だな…と思った。
そして、今でもそう思う。

夏の背中

今年の夏は雨が多かった。
コロナの影響もあるけれど
夏そのものがちょっと違った。
 
野菜の価格高騰に
花の咲くタイミングがずれたり
根枯れした木もあった。
 
人間だって御多分に漏れず。
外に出ない日が多かった。
海や山に行く機会も少なかった。
コロナのストレスもあり
ブルーな夏を過ごした人も少なくない。
 
でも過去を思い起こすと
日照りで取水制限や水不足となり
自由に水を使えない夏もあった。
雨が降りすぎた今年のような夏もある。
 
植物は枯れるものもあれば
じっと耐えて枯れないものも多い。
樹齢何百年、何千年の大木は
天候不順や自然災害に耐えてきた。
けれど人間も同じ。
何度も自然災害や疫病に耐え
立ち直って生きてきた。
  
心の持ちようはとっても大切。
 
雨が降らず水不足の夏もあった。
今年は雨が多かったけれど
水の豊かな夏になった。
 
出来ないことよりも出来ること。
悲しいこと、辛いこともあれば
嬉しいこと、楽しいこともある。
  
何百年、何千年という長い時間、
じっと過ごしてきた大木のように
毎日を毅然と過ごせたらいいね。
夏の背中を見送りながら。

二十四節気七十二侯

今年の8月は、2度目の梅雨が来たような雨が続きましたが、季節は確実に秋に向かっており、二十四節気では処暑(暑さがおさまる)。七十二侯ではもうすぐ『天地始粛』(暑さがようやく鎮まる)を迎えます。

二十四節気とは太陽の日長変化や太陽の光の量をもとにした暦。1年を二十四の季節に分け、その季節にふさわしい名前がつけられています。

七十二候は、二十四節気の一気(15日)を5日毎にわけ、初侯、二侯、三侯として、1年を72にわけたもの。季節ごとの鳥や虫、植物、天候などの自然の様子が七十二候の名前になっており、季節を5日に区切ることで自然の変化を知り、季節の移り変わりを示しています。
 
いろいろな季節の行事や生活の基準となる『暦』ですが、温暖化が進む昨今、少し様子が違ってきています。自然災害も増え、自然のバランスが崩れてきているようです。本来の自然とともにある生活を、私たち人間が見直す時なのかもしれません。

お盆やすみ

今年のワードネットのお盆休みは、8月13日(金)・14日(土)・15日(日)の3日間。
例年であれば、8月11日(山の日)から5日間ですが、今年はオリンピックで祝日があちこち移動し、夏の連休が増えましたので、お盆やすみは3日間とさせていただきます。

コロナ禍の夏。テレワークや、オンライン会議が普通になっている昨今、人と会う機会も減っています。お盆やすみも、例年のように帰省したり、人が集まったりすることも減り、お祭りやイベントも規模の縮小や中止が増えています。

でも、日本のお盆の持つ意味は変わりません。旅立った家族やご先祖様を迎える。それは形式的なものや法要でなくても良いと思います。故人が好きだった花を飾ったり、好きだったお料理を作ったり、日常生活の延長上で「家族やご先祖様」を迎えることに心を寄せてみる。そんなお盆もいいものです。

まだまだこれから暑い日が続きます。身体と心がホッとする休日をお過ごしください。

うだつがあがらない

事務所のあるビルのお向かいの和洋折衷の素敵な建物。お蕎麦処「文目堂」さんです。今日はこだわりのお蕎麦の話…ではなく、3階の壁の両端にある『うだつ』のお話。見えますか?この装飾された小さな壁が『うだつがあがらない』の『うだつ』です。
  
『うだつ』。もともとは隣家の火事の際、火が回り込み燃え移らないよう、延焼防止のため家と家の間の屋根を少し持ち上げて作られた防火壁のことでした。のちに家の壁から貼りだした袖壁の部分も『うだつ(袖うだつ)』と呼ぶように。お向かいの『うだつ』のように装飾的になったのは江戸時代中期からとか。
  
この『うだつ』をあげるためには、それなりにお金が必要。つまり『うだつがあげらない』のは、生活がよくならないから、地位があがらないから…ということで『うだつがあがらない』の語源となったようですね。商家などは富の象徴として競って立派な装飾をほどこしたようです。
  
ともあれ、『うだつ』はそれぞれの地域の特徴があります。文字の書かれたものや凝った装飾のものも。古い町並みを散策する時には、屋根や壁に気を付けて歩くのも楽しいものです。