秋のお彼岸

もう9月…と思っていたら
もう秋のお彼岸。

こどもの頃。
秋の到来は彼岸花が教えてくれた。
お彼岸は、近所のおばあちゃんが
小豆を煮る香りが教えてくれた。
  
その頃は和菓子よりも
ケーキやシュークリームや
洋菓子が魅力的だったけれども
黄な粉をまぶしたおはぎは好きだった。
  
春のお彼岸の「ぼたもち」と
秋のお彼岸の「おはぎ」。
どう見ても違いがわからないので、
近所のおばあちゃんに聞いてみた。
すると「同じものだよ」と。
 
春のお彼岸には牡丹の花が咲き
秋のお彼岸には萩の花が咲く。
季節の花と一緒に
彼岸にいる大切な人に喜んでもらおうと
そう呼ぶようになった…と。

それが定説かどうかは別として
こども心に素敵だな…と思った。
そして、今でもそう思う。

夏の背中

今年の夏は雨が多かった。
コロナの影響もあるけれど
夏そのものがちょっと違った。
 
野菜の価格高騰に
花の咲くタイミングがずれたり
根枯れした木もあった。
 
人間だって御多分に漏れず。
外に出ない日が多かった。
海や山に行く機会も少なかった。
コロナのストレスもあり
ブルーな夏を過ごした人も少なくない。
 
でも過去を思い起こすと
日照りで取水制限や水不足となり
自由に水を使えない夏もあった。
雨が降りすぎた今年のような夏もある。
 
植物は枯れるものもあれば
じっと耐えて枯れないものも多い。
樹齢何百年、何千年の大木は
天候不順や自然災害に耐えてきた。
けれど人間も同じ。
何度も自然災害や疫病に耐え
立ち直って生きてきた。
  
心の持ちようはとっても大切。
 
雨が降らず水不足の夏もあった。
今年は雨が多かったけれど
水の豊かな夏になった。
 
出来ないことよりも出来ること。
悲しいこと、辛いこともあれば
嬉しいこと、楽しいこともある。
  
何百年、何千年という長い時間、
じっと過ごしてきた大木のように
毎日を毅然と過ごせたらいいね。
夏の背中を見送りながら。