「旬」広辞苑にはこう書いてある。
 
①(旬政・旬儀・旬宴の略)古代、
 朝廷で行われた年中行事の一つ。
 …中略…
②魚介・野菜・果物などが
 よくとれて味の最もよい時。
③転じて、物事を行うに適した時期。日。
 
ざっくりだけど
その時期に適したモノ・コトな感じ。 
食べるモノはわかりやすい。
今一番採れる、出来る
美味しく食べ頃のモノ。
もちろん栄養価も高い。
それは物事でも同じだと思う。
適した時期がある。
 
日本には四季があって、
四季それぞれに旬の食べ物がある。
ハウスや工場で野菜や果物が栽培され
いつでも欲しいモノが手に入る時代。
 
でもね。
四季それぞれの体調に合った
自然に逆らわないモノを食して
寒い時は寒いなりに
暑い時は暑いなりに
暮らしていけば良いように思う。
  
真冬に屋外で西瓜を食べたくはない。
ギラギラ太陽が照り付ける夏に
空の下で食べる旬の西瓜は最高。
でも真冬は熱々の焼き芋がいい。

野菜にも果物にも穀物にも
ゆっくり季節の移ろいの中で
その季節の雨や太陽を浴びながら
ちゃんと育って欲しい。
その恩恵を感謝しながら頂きたい。

人間も同じ。自然の一部。
自然に逆らうことは不自然。
いや、逆らうことはできないはず。
自然をコントロールした気になり
調子にのっていると
必ずひずみが生じてバランスを崩す。

先人が残してくれた知恵を大切に
季節の暮らし方や文化を学び
旬のものを口にして
時間を重ねていけたら
身体も心も健康に豊かになる気がする。

今夜は季節の野菜で鍋だな。

栴檀林跡

事務所への電車通勤
毎日ではないけれど
地下鉄には乗らず「熊野街道」を歩く
たしかに私は地下鉄が嫌いだけれど
あれこれ往時をしのびながら
熊野街道を歩くのが好き。
   
谷町九丁目から八丁目のあたり
熊野街道から少し西に入ると
夕願寺という小さなお寺の前に石碑がある。
 
「立正学院 旧大阪本化栴檀林跡」
 
説明も何もない。
でも「栴檀林」とは
僧侶が集まる仏教の学問所のこと。
そして「本化」とは日蓮宗を意味する。
つまりここは日蓮宗のお坊さんが集まり
学んだ場所だったのだろう。
  
今は石碑を残すだけで
詳しいことはわからない。
 
でもやたらとお寺の多い上町台地に
僧侶の養成機関があったとしても
まったく不思議はない。
 
栴檀林はあちこちにある。
学林、僧林、栴談林とも言う。
 
浄土宗の関東十八檀林とか
日蓮宗の下総や飯高檀林
天台宗の関東十檀林
曹洞宗の江戸吉祥寺に
真言宗は田舎檀林と称して
各地に檀林を作ったらしい。
檀林を基とした大学もある。
 
ややこしいことはおいといて…
 
このDiary にも時々書いているけれど
上町台地には医学から宗教まで
学びたい人が学べる場所があった。
浄瑠璃や文壇など
後世につながる文化も生まれ
日本経済の基礎を築いた舞台でもある。
 
大阪と言えばコナモン!
…だけではないのですよ。