「今里のロータリー」
両親はこの交差点を
そう呼んでいた。
大阪市内の「今里交差点」を
そう呼ぶ人は今も多くて
私も両親から刷り込まれていて
ついそう言ってしまう。
五叉路になっているこの交差点。
昭和10年頃から昭和31年まで
交差点には信号がなく
車は円を描き流れていたらしい。
かつては大阪市電や
大阪市営トロリーバスも乗り入れていて
交通の難所だったらしい。
ロータリーの入出にそこそこ慣れていないと
行きたい方向へスムーズに出るのは
かなりハードルが高かったと思う。
確かに、信号のある今でも
ここを始めて通る車や、
慣れない車はあたふたして
慌てて車線変更禁止の黄線を跨ぎ
車線を変えて行きたい方へ進む。
このロータリー。
実はもっともっと昔は
玉造から各方面に向かう
諸街道の中継点だった。
暗越奈良街道、北八尾街道、十三街道
各街道の分岐点でもあった。
この交差点はいつも渋滞する。
でも渋滞につかまった時は
各時代、往時の様子を想像してみる。
なんとなく周りの景色が
いつもと違って見えてくる。
「今里ロータリー」
はじめて通る方は
早めに車線変更をおススメします。