秋とは思えない気温の11月。
今年も正倉院展へ。
子供の頃、よくわからないまま
祖父に連れられて毎年通い
祖父が他界してからも
毎年足を運び
もう何十年と続く恒例行事。
毎年湿気の少ない秋に
正倉院の勅封が解かれて
宝物の点検が行なわれます。
そのタイミングで研究成果のあった品や
話題になった品など
正倉院正倉の9000点から
いろいろ偏りなく選ばれた品を
奈良国立博物館で
一般公開するのが正倉院展。
第1回正倉院展が昭和21年に
当時の奈良帝室博物館で開催されてから
今年で75回目。
東京での開催も昭和天皇即位など
記念開催が過去3回ほどあったけれど
正倉院のお膝元にある
奈良国立博物館看板の大きな特別展。
ガラス越しではあるけれど
光明皇后や聖武天皇が愛でた品や
遠く大陸を越え渡ってきた品や献上品。
戦国時代をはじめ、
その時代時代のいわくのある品々が
当時と同じように美しく輝き
1200年の時を越えて目の前にある。
奇跡だと思いませんか。
1200年以上この宝物を守ってきたのは
ヒノキで組まれた正倉院正倉と
ずっと繋がれてきた人々の想い。
そして守り伝えてきた皇室。
正倉や宝物がもし語れたなら
宝物ひとつひとつに歴史があり
壮大な物語が聴けるだろうな…と
ドキドキしながら図録と正倉院グッズを買い
横断歩道を渡る鹿を見ながら
名残惜しい奈良国立博物館をあとに。
二月堂のお水取りで春が来て
正倉院展で秋が深まります。
※第75回正倉院展は11月13日まで。