上町台地から松屋町筋を越え
船場界隈を歩いていると
あちこちに桐の木があります。
お寺や町屋の塀の向こう
小さな公園やちょっとした緑地帯
東横堀川沿いの小径や
ビルの裏の狭いスペースにも。
桐の花言葉は「高尚」
中国神話の霊鳥である鳳凰は
桐の木だけに止まるそうです。
花が紫ということもあり、日本でも
神聖な木として大切にされてきました。
で?あちこちの桐がどうした?です。
桐は15年程で成木になります。
大阪の商家では女の子が生まれると、
庭に桐の苗木を植えて育てて
成人した時にその木で箪笥を作り
嫁入り道具にして嫁がせる。
…という風習があったそうです。
女の子が生まれた時に
桐の木を植える風習は
武家や農家にもあったようですが
この界隈に残る桐の大木の多くは
かつて商家の屋敷があった名残。
普段は気づかないかもしれません。
でも4月頃から紫の花を咲かせます。
そして葉はご存知の「桐紋」の桐。
ビルの間の桐の大木を見ると
大きなお屋敷があった頃の話を
語ってくれないかな…と
桐の木に話かけてみたくなります。