春火鉢

春頃に使われる俳句の季語。  
 冬の間ずっと使っていた火鉢が
 春になってまだ置かれている。

この時期は朝夕に残る寒さに
まだまだ暖をとりたい日も。
火をいれなくても、
そこに置いてあるだけで
なんとなく安心感があります。
 
昨年の夏、自宅の押入れで
祖母の火鉢を見つけ
冬になったら使おうと
灰・炭・火鉢箸・火熾鍋…
半年がかりで準備をし
秋から使い始めました。
   
寒い!暖まりたい!と思っても
エアコンやストーブと違い
スイッチはどこにもなく
寒い中、約20分かけて火を熾す。
  
黑く輝く美しい備長炭が
徐々に赤くなり呼吸を始めると
まず気持ちが暖かくなります。
 
熾った炭を火鉢に入れても
置き方がお気に召さないと
炭は仕事をしてくれません。
火鉢に手をかざし
炭火のご機嫌をうかがっていると
少しずつ身体が暖まります。
 
昔、人間は「火」と出会い
火を操るようになり
豊かな暮らしを手に入れました。
物理的なことだけではなく
「火」という生き物の
素晴らしさや怖さを知り
暖かさに安心や喜びを感じ
きっと気持ちの豊かさも。
 
ストーブやエアコン、
ホットカーペットに床暖房
それは本当に便利で快適。
 
でも炭を熾して
火と対話しながら暖をとる。
それは優しくて暖かく
ちょっと違う素敵な時間です。 
    
 春風が
 嬉し寂しい
 春火鉢