7月の空

ブルーインパルスが
大阪の空を舞った。

大阪・関西万博開幕時は
一旦飛び立ったが悪天候で中止に。
心待ちにしていた観客はもちろん
ブルーインパルス隊員の方々にも
残念な万博開幕となった。
    
再飛行決定のニュースが
7月になって飛び込んできた。
  
このところ国内外ともに
明るいニュースが耳に入ってこない。
戦争、災害、異常気象。
米をはじめ食品、ライフライン
あらゆるものの値上げ。
芸能人のゴシップに政治家の不祥事。
不安な気持ちやイライラ
ぶつけようのない憤り。
マイナスな想いを抱えて
下を向いてしまうこと多かった。
    
でも7月12・13日の午後
顔をあげて空を見上げた人が
どれほどいただろう。
 
大空に目を向けて
ドキドキしながら機影を探し
見つけた時には歓声をあげ
感動した人がどれほどいただろう。
 
ブルーインパルス隊員の方々は
厳しい訓練を積み重ねて
高度な技術と精神力と体力を身に着け
心のこもった一糸乱れない
素晴らしい展示飛行を魅せてくれた。
 
整備の方はもちろん、吉村知事
防衛庁や多くの関係者の方々…
大阪の空を飛んで欲しい多くの人
膨大な人の思いがひとつになって
2日間の展示飛行が実現した。
  
色々な考えや意見があると思う。
でも政治的なことも
思想も関係ない。
  
その瞬間
どれだけの人が日常を忘れて
顔をあげ空を仰いだか。 
どれだけの人の心がひとつになったか。
 
展示飛行が終わり関空へ向かう時
一機が描いてくれたラインは
モールス信号の「T」と「U」
「Thank You」だった。
 
こちらこそ本当にありがとう。

大空に描かれた白いラインは
一瞬で消えていったけれど
忘れていた感動や笑顔を
ブルーインパルスは残してくれた。