路地

高低差の大きい上町台地には
表通りの道から裏通りに繋がる
細い路地があちこちにある。
階段のついた路地や
通りに面した家の中を通るような
屋根のついた路地もある。
 
空堀界隈にも路地が多くあり
さながら迷路のように
「え?ここに出てくるんだ」
…な面白さもある。
でもそこは生活の場なので、
「おじゃまします」の気持ちで
そっと通らせて頂くことが大切。
 
この屋根のついた路地。
奥の長屋や借家への通路だったとか。
奥にある家への配慮で
遠回りせずに入れるように
表通りの家の1階の一部を
通路にして通れるようにしたとか。
他にも諸説ありますが、
奈良の「通り土間」や
京都の「通り庭」ともまた違った
独特の風情があります。
 
理由はどうあれ、その路地は
さながらタイムトンネル。
異次元への通路にも思えます。
 
いくつかの路地の向こうには
本当に昭和な空間があり
長屋が続く路地の奥には
大切に祀られたお地蔵さんや
お稲荷さんの古い社があったり
そっとしておきたい場所。
  
絶対に偶然には通らない場所に
素敵なカフェやバーも。
昔からの食堂やお好焼き屋さんや
雑貨や和装のお店があったりする。
 
もう何年もこの界隈を歩き回り
かなり土地勘はあるのだけれど
それでも行ったことあるのに
場所がわからない…こともある。

そういう場所はきっと
大切にそっとしておくべき場所。