彼岸花

田んぼの稲が金色に輝く頃
畦道では彼岸花が満開に。
毎年この光景を見ると
秋だなぁと思う。
 
子どもの頃、畦道の彼岸花を
一輪摘んで家に持ち帰り
母に叱られたことがある。
  
確かに墓地によく生えてて
縁起が悪いと言われるし毒もある。
でもそんなに嫌わなくても…。

たぶん「彼岸花」の名前も
嫌がられる一因なんですよね。
でも「曼殊沙華」とも言うよ。
この名前なら悪くないでしょ。
サンスクリット語で「天界に咲く花」

畦道によく生えているのは
その毒でモグラやネズミから
稲や作物を守るため。
墓地に生えているのは
埋蔵された遺体を守るため。
もともとは人が植えたという話も。
 
ともあれ秋の訪れを教えてくれる。
10月になっても暑い日が続くと
人間はすっかり油断して衣替えもせず
寒くなってから慌てふためく。
薄い布団で寝て体調を崩して
「急に寒くなった」と言う。
  
彼岸花が満開になり
金色の稲穂が首を垂れると秋。 
そう。
変わる季節を教えてくれるのは
気象庁ではなく、いつも自然。

秋は短く冬の知らせはもうすぐ。