
何年ぶりだろうか
廻らないお寿司屋さん。
私だけかもしれないけれど
最近はお寿司が食べたいと思うと
廻るお寿司屋さんが浮かぶ。
何の迷いもなく、スマホで予約して
そういうお寿司屋さんにいく。
最近ガリが大根の酢漬けだったり
ちょっと残念なことも多い。
ちょっと余談。
ご存知でしょうか。
回転寿司の発祥は東大阪の布施。
昭和33年オープンの「廻る元禄寿司」
高級食のお寿司を大衆向けにして
回転寿司というスタイルを作った。
昭和37年に「コンベア旋回式食事台」
の特許を取得している。
とっても凄いお寿司屋さん。
いまでも「廻る元禄寿司本店」は
ちゃんとしたお寿司が廻ってる。
話を元に戻して。
お寿司が廻る前のお寿司屋さんは
カウンターの向こうに
威勢のいい職人さんが居て
注文するとケースからネタを選び
リズミカルに握ってくれた。
そして「お茶」ではなくて
魚偏の漢字がいっぱいのデッカイ湯呑で
熱々の「あがり」を出してくれた。
もちろん今でもあるんだけれど
行かなくなっていた。
先日「そういうお寿司屋さん」で
昔ながらのお寿司をいただいた。
やっぱり美味しい。
もちろん値段は違うけれど
それだけじゃない。
それ以外の大切な何かがある。
「寿司」ではなく「鮨」
そう。久し振りにお鮨をいただいた。
お寿司だけ、食事だけではない。
リーズナブルなことも便利なことも、
それはそれでとっても価値がある。
でも何かこぼれ落ちるものがある。
そのこぼれ落ちるものが
今の時代、一番大切なのでは?
美味しいお鮨をほおばりながら
ふと思った。