うだつがあがらない

事務所のあるビルのお向かいの和洋折衷の素敵な建物。お蕎麦処「文目堂」さんです。今日はこだわりのお蕎麦の話…ではなく、3階の壁の両端にある『うだつ』のお話。見えますか?この装飾された小さな壁が『うだつがあがらない』の『うだつ』です。
  
『うだつ』。もともとは隣家の火事の際、火が回り込み燃え移らないよう、延焼防止のため家と家の間の屋根を少し持ち上げて作られた防火壁のことでした。のちに家の壁から貼りだした袖壁の部分も『うだつ(袖うだつ)』と呼ぶように。お向かいの『うだつ』のように装飾的になったのは江戸時代中期からとか。
  
この『うだつ』をあげるためには、それなりにお金が必要。つまり『うだつがあげらない』のは、生活がよくならないから、地位があがらないから…ということで『うだつがあがらない』の語源となったようですね。商家などは富の象徴として競って立派な装飾をほどこしたようです。
  
ともあれ、『うだつ』はそれぞれの地域の特徴があります。文字の書かれたものや凝った装飾のものも。古い町並みを散策する時には、屋根や壁に気を付けて歩くのも楽しいものです。