あべのハルカス

事務所から谷町筋に出ると
南の空にハルカスが見える。

10年前にビルの名前を聞いた時、
「ハレ」と大阪弁の「やらかす」
の造語か…なるほど。
…と私は勝手に納得して
ずっとそう思ってた。
 
でも違った。ぜんぜん違った。

 こころ、晴るかす。
 みらい、晴るかす。
 やさしい光に包まれて
 心地よい明日が見えてくる。
 大阪の新しいランドマーク
 あべのハルカス。
 
名前の由来はこう説明されている。
 
「ハルカス」は
伊勢物語の一節に書かれた言葉
「はるかさむ」からの引用。
「はるかす」は
「晴らす、晴れ晴れとさせる」
という意味で使われていた言葉。
 
ふーん。そうなんだ。
正しい意味を知っても
10年間の思い込みは消えず
どうもしっくりこない。
    
ともあれ
60階の展望台からの景色は
大阪を一望できる
素晴らしい眺めだと聞く。
  
16階の美術館には行くけれど
私は展望台には行ったことがない。
高いところは嫌いじゃない。
どちらかと言えば高いところは好き。
でもなんとなく気が進まない。
 
300mからの大阪の景色を
見てしまいたくないのかもしれない。 
大阪を一望…というのは
大阪城の天守閣からの眺めでいい。
  
300mのハルカスは
雲が降りてくると
てっぺんが隠れて見えない。
あまのじゃく…だと思うが
下から見るこの景色がとても好き。
  
※「ハレ」
 儀礼や祭、年中行事などの「非日常」
 (もともと折り目・節目を指す概念)
 対して「ケ」は普段の生活「日常」
 日本の伝統的な世界観のひとつ