
ほのかに漂うよう優しい香りは
主張もせず、邪魔にならないように
こっそりそっと香っているようだ。
その黄色いふんわりした花は
イメージはあるものの
花の形や枝葉の形も覚えていない。
でも遠くから見てもミモザとわかる。
長堀通を堺筋から東へ向かうと
東横堀川に末吉橋がある。
前の事務所のすぐ近くだ。
その末吉橋の北西のたもとに
見事なミモザの大木があった。
東横堀川の護岸には整備用歩道があり
橋よりもかなり低く川面に近い。
整備用歩道に生えている大木は
ひょこっと上半分だけが見えていた。
普段はまったく印象に残らない
橋の欄干の向こうにある木だった。
でもこの季節には様子が変わる。
これでもか…と黄色の花をつけ
橋を渡る人を立ち止まらせ
信号待ちの車もみんな目を奪われる。
大木の向こう側には大木にちなんで
「Cafe MIMOZA」というカフェがあった。
ミモザが大好きなオーナーが
建物の壁にミモザの花を描き
この季節には素敵な景色がそこにあった。
事務所が安堂寺に引っ越してからも
長堀通を歩いて10分もかからず
この季節にはミモザに会いにいき
時々カフェでお茶を楽しんだ。
数年前。
運河と橋の整備に支障があるらしく
ミモザの大木が無くなった。
少し経ってカフェも閉店になった。
もう違うお店になっているけれど
建物の壁に描かれたミモザは
今もそのまま。
今年もさみしそうに咲いている。
奈良二月堂のお水取りが終わり
ミモザの花が咲くと春が来る。










