干し柿

7年ぶりに干し柿を作った。
両親の大好物だったので
コロナ禍前は毎年作っていたけれど
ずっと作っていなかった。

毎年、宮津でいただいた柿を
ベランダの軒下に吊るしていた。
「明日は食べ頃」と楽しみに
翌朝ベランダに出ると
何度か干し柿が消えていた。
 
カラスは賢くて食べ頃にもっていく。
そして両親に残念なお知らせをする。
そんな年も多かった。
両親が居た最後の年の干し柿も
食べたのはカラスだった。
 
一人だと、たくさん要らないので
ずっと作っていなかったけれど
今年は綺麗な干しやすい柿を頂き
以前と違う方法で吊るしてみた。
干し柿の仕上がりに加えて
カラスとの知恵比べを楽しんだ。

使っていない部屋の窓際に吊るし
窓をあけて風を通しておいた。
網戸があるからカラスは来ない。
きっとカラスはどこかで見てて
あれこれ考えただろうけど
さすがに網戸を破ってまで
持っていくことはなかった。

通りに面した窓に吊るしていたので
ご近所の人生の大先輩方が
「懐かしいなぁ。昔は作ったなぁ」
と、毎日家の前を通るたび
2階の窓を楽しみに見て下さった。

ちょっと色は黒いけれど
カビも生えず、カラスにも盗られずに
甘くて美味しい干し柿が
16個出来上がった。

出来上がるまで毎日見て下さった
ご近所にお裾分けをして手元には3つ。
美味しくて、もう食べてしまった。

ご近所さんも一緒に楽しめた干し柿。
来年はもっとたくさん
通りに面した窓に吊るそう。

上本町駅の鳩

自宅が駅から近いこともあり
通勤にはほとんど電車を使う。
近鉄大阪線で上本町駅まで行き
そこから晴れの日はぶらぶら歩き
雨の日は地下鉄谷町線を使う。

上本町駅は近鉄大阪線の終点。
近鉄百貨店上本町店
新歌舞伎座・近鉄YUFURA
シェラトン都ホテル大阪
かなりコアなハイハイタウンもある
なかなか使えるターミナルだ。
 
駅上のバスターミナルからは
関西空港、大阪空港直行バスがあり
空港へのアクセスもいい。
関西・大阪万博期間中は
直行バスが大人気だった。

買い物も食事もほぼここで完結できる
子供の頃から馴染みの駅。
規模も地上7面6線・地下2面2線の
実は日本で第3位のターミナル。

この上本町駅には鳩もいる。

朝の通勤時間に座れることはないけれど
仕事からの帰宅は始発駅で乗るので
確実に座って帰ることができる。

先発・次発・次々発あたりまで
出発待ちの電車が常時停まっている。
改札から先頭車両まで8両編成でも
ホームを軽く200mほどは歩く。

ホームを歩いていると
停車中の電車の開いた扉を
出たり入ったりしている鳩がいる。
かなりの確率でこの鳩達に会う。
人が乗ってきても慌てない。
慣れ切ってるので車内を歩き
気が向いたらどこかの扉から出ていく。

たまに、降り損なったのか
一駅キセルするつもりの確信犯か
本人に聞いてみた事はないけれど、
次の鶴橋駅まで乗って行く鳩がいる。
 
JR環状線・地下鉄との接続駅なので
かなりの人が乗車してくるけれど
開くと「降車優先!」とばかりに
胸を張って降りてゆく。
 
鶴橋駅に住んでいて帰宅したのか
鶴橋駅までお出かけしてきたのか。
車内で慌てている鳩を見た事がない。
私が利用するのは各駅停車なので
準急、急行、区間急行、快速急行を
利用する鳩がいるかどうかは不明。

可愛いなんて思ったことはない。
でもなんとなく面白くて
いつも駅のホームを歩きながら
無賃乗車する鳩を探している。