あべのハルカス

事務所から谷町筋に出ると
南の空にハルカスが見える。

10年前にビルの名前を聞いた時、
「ハレ」と大阪弁の「やらかす」
の造語か…なるほど。
…と私は勝手に納得して
ずっとそう思ってた。
 
でも違った。ぜんぜん違った。

 こころ、晴るかす。
 みらい、晴るかす。
 やさしい光に包まれて
 心地よい明日が見えてくる。
 大阪の新しいランドマーク
 あべのハルカス。
 
名前の由来はこう説明されている。
 
「ハルカス」は
伊勢物語の一節に書かれた言葉
「はるかさむ」からの引用。
「はるかす」は
「晴らす、晴れ晴れとさせる」
という意味で使われていた言葉。
 
ふーん。そうなんだ。
正しい意味を知っても
10年間の思い込みは消えず
どうもしっくりこない。
    
ともあれ
60階の展望台からの景色は
大阪を一望できる
素晴らしい眺めだと聞く。
  
16階の美術館には行くけれど
私は展望台には行ったことがない。
高いところは嫌いじゃない。
どちらかと言えば高いところは好き。
でもなんとなく気が進まない。
 
300mからの大阪の景色を
見てしまいたくないのかもしれない。 
大阪を一望…というのは
大阪城の天守閣からの眺めでいい。
  
300mのハルカスは
雲が降りてくると
てっぺんが隠れて見えない。
あまのじゃく…だと思うが
下から見るこの景色がとても好き。
  
※「ハレ」
 儀礼や祭、年中行事などの「非日常」
 (もともと折り目・節目を指す概念)
 対して「ケ」は普段の生活「日常」
 日本の伝統的な世界観のひとつ

諭吉

お札が新しくなって3カ月。
まだ新札に対応してない自販機はあるけれど
よくお目にかかるようになった。

畳貯金や箪笥貯金の旧札は
新札にしないと使えなくなる…とか
色々うわさも飛んで
両替代行詐欺も結構あるらしい。

畳の下や箪笥の中の札束を
両替しなきゃ!と慌ててみたい。
 
さて、2024年新メンバーは
渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎
 
偽造防止技術がすごいらしく
高精細すき入れに、世界初の3Dホログラム
うん。きっとすごいんだと思う。

あくまでも個人的にだけれど、
樋口一葉と野口英世はともかく
福沢諭吉と渋沢栄一の選手交代が
どうも残念。

偉いとか偉くないとか
個人の功績がどうのとかではなく
私達は愛情を込めて一万円札を
「諭吉」と呼んできた。

お財布に諭吉が何人いるかで
懐の暖かさが違った。
諭吉1人が英世10人になったら
あっという間にお財布が寒くなる。

友人との会話でも「諭吉何人」
…と生々しい金額は言わない。
頭の中で諭吉が整列する。

が。「栄一」1人はなんか違う。
どうも馴染まない。言えない。

もうひとつ、
新札を目にした時の違和感は
日本のお札なのに中央に漢数字表記がない…
技術の結晶。高級な印刷と用紙。
でもなんか軽い…重みがない。
 
とぶつぶつ言いながらも
お財布に「栄一」が団体で来てくれたら
それはとっても嬉しい。
もちろん大歓迎!