通勤路や事務所界隈一帯には
ほんの少し裏にはいると
上町台地に重なった歴史を
感じる場所がたくさんある。
通勤途中で路地や裏道があると
迷いなく吸い込まれてみる。
全く方向の違う路地に入ったら
その先で道が曲がっていて
道なりに表通りに出てみたら
ショートカットだったりもする。
その先がどうなっているか
予想はできるのだけれど
タイムトンネルのように
違う時代に繋がっていたり
全く違う場所へ出たら素敵だなと
いつも期待しながら歩く。
通勤路にたくさんあった
古い町屋もずいぶん取り壊され
昔話を聴かせてくれた
顔見知りになった人生の先輩も
会えなくなった方が増えた。
でもこの界隈には
いまも往時を思わせる風景が
色濃く残っている。
あれこれ想像しながら
まっすぐ歩けば20分の通勤路を
倍以上の時間をかけて歩く。
直線距離に近い道を歩くと
確かに早く到着する。
でもグルグル歩いているから
出会える場所やコトもある。
無駄に見えても
たくさん素敵なプレゼントを受け取り
朝からご機嫌で事務所に着いたり
気分よく家に帰れたりする。
人生も同じかもしれない。
まわり道や無駄に見えることが
本当はとっても大切なことで
意味があるのではないかと。