三橋楼

7000年程前、
縄文海進の時代には
半島だった上町台地。 
秀吉の大坂城などは
もうかなり最近な感じ。
  
そんなことを考えて歩いていると
2~3キロはあっという間。
   
事務所から熊野街道を北へ
八軒家浜へ向かう道にも
古代から近代まで
歴史を感じる場所があちこちに。 
 
暗越奈良街道と
熊野街道が重なる御祓筋から
北大江公園を東に入ると
大きなマンションの片隅に
小さなお堂と説明パネルがある。
   
ここは「三橋楼」があった場所
難波・天神・天満の三橋を北に望む
この高台にあった料亭で 
「大阪会議」の前に
大久保利通と木戸孝允が
個別会談をした場所。
  
きちんと説明すると長くなるので
簡単に書いてしまうと…
 
明治維新の後、意見の対立等で
離れてしまった有用な人材を
政権に復帰させようと
明治政府が開いた「大阪会議」  
この会議のあと
木戸孝允、板垣退助が復帰し
明治政府の新体制が整っていきます。
 
「三橋楼」は明治政府新体制の
個別会談が行われた
歴史上とっても重要な場所。
往時の面影はないけれど
なんとなく情景が浮かんでくる。
  
御祓筋に戻り、坂を降りていくと
大川の水面が見えてきます。
もうそこは八軒家浜。

エレベーターの四字熟語

熊野街道沿いのレンガ色のビル
ここの7階に事務所がある。
 
7階の事務所まで
秋・冬・春は上りも下りも
階段を使うことが多いけれど
さすがに暑い時はイヤだ。
上りも下りもエレベーターを使う。
 
エレベーターで乗り合わせる方は
ほぼこのビルの方ばかり。
顔見知りの方もいるし
もちろん知らない人もいる。
でも乗り合わせたらご挨拶する。
 
ほんの短い垂直移動の時間だけれど
コロナ禍以降ということでもなく
なんとなく、みんなの視線は
通過中フロアを表示するパネルへ。

このパネルに色々なアナウンスや
きれいな景色の写真が出たり
「難読漢字」「四字熟語」のクイズも。
私はこのクイズが好きで楽しみにしている。
 
6月末のこと。
エレベーターに乗りパネルを見ていた。
大好きな「四字熟語」が表示された。
問題は…

「無〇〇中」

「無我夢中」

…と頭の中で答えた瞬間
後ろのおじさんがボソッと答えた。

「無理心中」
 
合ってる。
うん。間違いじゃない。
むしろいいと思う。
でも出題者はソコを期待していないと思う。
聞こえていないことにして
いつものように会釈して7階で降りた。
 
あのおじさんと
次回乗り合わせた時の問題は
「〇肉〇食」がいいな。
 
「弱肉強食」ではなくて
きっと「焼肉定食!」
そう回答してくれそうな気がする。

まだ夏はこれから
しばらくはエレベーターに乗ろう。