うだつがあがらない

事務所のあるビルのお向かいの和洋折衷の素敵な建物。お蕎麦処「文目堂」さんです。今日はこだわりのお蕎麦の話…ではなく、3階の壁の両端にある『うだつ』のお話。見えますか?この装飾された小さな壁が『うだつがあがらない』の『うだつ』です。
  
『うだつ』。もともとは隣家の火事の際、火が回り込み燃え移らないよう、延焼防止のため家と家の間の屋根を少し持ち上げて作られた防火壁のことでした。のちに家の壁から貼りだした袖壁の部分も『うだつ(袖うだつ)』と呼ぶように。お向かいの『うだつ』のように装飾的になったのは江戸時代中期からとか。
  
この『うだつ』をあげるためには、それなりにお金が必要。つまり『うだつがあげらない』のは、生活がよくならないから、地位があがらないから…ということで『うだつがあがらない』の語源となったようですね。商家などは富の象徴として競って立派な装飾をほどこしたようです。
  
ともあれ、『うだつ』はそれぞれの地域の特徴があります。文字の書かれたものや凝った装飾のものも。古い町並みを散策する時には、屋根や壁に気を付けて歩くのも楽しいものです。

長堀通が運河だった頃

むかし長堀通が運河だった頃、ここから船に乗り降りした名残りの階段。 
 
手前にもフェンスがあり、階段を登ることはできませんが、長堀通から見上げると、船が横付された時の光景が浮かびます。
   
上町台地には、古い町屋や建物、古き良き時代を語る建造物がたくさん。
奈良や京都の重要文化財のようなものではなく、いまなお、そこは普通の生活の場。

阪神淡路大震災で、古い家屋の倒壊も多くあり、耐震性の問題から取り壊しになる町屋も多く、狭い路地奥の木造家屋からの出火で人命にかかわる被害が多くでているのも事実。
大阪の古き良き街並の建物も年々減っていき、時代とともに往時のことを知る人も少なくなる。
 
いつしか通勤路の大好きな場所はスマホの中に。
その由来や伝説を調べたり関連ある場所に行ってみたり。お寺や神社でお話を聞かせて頂いたり。

事務所では、マウスとキーボードを相棒にモニターに向かって仕事。
朝と夕方は、もう今では目には見えない景色を観ながらの通勤。

ちょっと昔話

本棚の懐かしい本を開いて。ちょっと昔話です。
 
ワードネットは1995年に法人登記しましたが、その数年前に個人事務所としてスタートしました。まだPC98やワープロ全盛期。そしてMacが誕生した頃です。
 
Macの可愛いフォルムと、虹色のアップルマークに魅かれて購入したMacintoshSEは、とても仕事に使えるものではありませんでしたが、持っているだけ嬉しくワクワクしました。それがきっかけとなり、MacintoshⅡ導入から業務はデザイン寄りへとシフトし、何世代ものMacとのおつきあいが始まりました。
 
またその頃、富士通OASYSがWISWIG(What You See Is What You Get)対応となり、ワープロ専用機でのDTP業務も忙しくなり、仕事の幅が自然に広がっていきました。
 
今でこそリアルなイメージをモニターで見ながら作業ができますが、当時は仕上がりを想定してのコマンド入力や、横書表示で縦書文書を制作する作業だったりと、オペレーターは完成形をイメージしながら作業をしていました…ってピンとこないですよね?
 
その時代を知らない方には想像できないかと思いますが、横方向の画面の左から右が、縦書の上から下になるわけです。句読点なども、縦になることを想定し縦書用の「、」や「。」を入力しました。句読点などは、縦書用・横書用それぞれ別の文字が存在したのでかなり大変でした。その時代に仕事をしていたオペレーターは、自然に頭の中で最終形をイメージする訓練をされており、イメージして作ることには強かったように思います。
 
わかる人にしかわからないハードディスクが「1MG=1万円」の懐かしい時代のこと。