道の真ん中の御神木

大阪市内には、道路の真ん中に御神木をお祀りする社が何ヵ所かあります。
 
当社から歩いて7~8分、谷町7丁目交差点東に楠木大神があります。熊野街道からほんの少し西の道路の真ん中に、15メートル程の御神木とご神木を護るように寄り添う大きな椚の木が立っています。
 
道路の真ん中にあるので歩道から手を合わせる人も多いですが、東側から4つの白い鳥居をくぐると祠があり、白蛇が祀られています。地元では「くすのきさん」と呼ばれ親しまれています。
 
戦前ここには「本照寺」というお寺があり、御神木はその境内にありました。戦争中の道路拡張工事の際、この御神木を伐採する計画もあったようですが、地元住民の反対があり残ったようです。その後も何度か強引に伐採しようとしたようですが、工事関係者に不思議な事故が起き、中止になったこともあり、今もこうしてこの地域を見守り続けています。
 
多くの歴史が重なりあう上町台地。歴史の表舞台には出てこない伝承や、歴史が動いた当時の名残がたくさんあります。

「くすのきさん」の近くには近松門左衛門の墓や、大阪で医学教育に貢献したボードウィン縁のお寺や場所もたくさんあります。
ちょっと時間ができた時、足を運んで歴史に触れてみませんか?