大切な時間

珈琲が好きで
自宅はもちろん事務所にも
コーヒーミルと数種類の豆を置いて
仕事の間にガリガリ豆を挽きながら
香りを楽しんできた。
 
「珈琲を飲む」のも好きだが
器越しの珈琲の温かさや
器の肌ざわりを楽しむのが好きで
来客用とスタッフ用のカップ
自分用にはお気に入りを置いていた。
  
当時のスタッフは珈琲が好きだったし
珈琲がお好きな来客があると
ガリガリやりながら会話を楽しみ
いい時間を過ごしていたけれど
数年前のコロナ禍でそれもなくなった。
 
打合せはオンラインになり来客もなく
スタッフもテレワークで時々来る程度。
事務所にはほぼ誰も来なくなり
私自身も仕事は事務所と自宅が半々。
事務所の珈琲はドリップ珈琲。
カップは紙コップになった。
 
いつもPCの傍らにあった器は
自宅に持ち帰り、
今も自宅で仕事をする日は
この器で珈琲を味わい楽しんでいる。
 
丁寧に豆を挽き。
豆の様子を見ながら蒸らし
ゆっくり湯で円を描く
 
まとまらない考え
解決できない問題
見つからない糸口

PCの前に座り
器をそっと手で包んで
その温度と肌触りを楽しむと
珈琲の香りの中
俯瞰で見ている自分になれる。

珈琲との大切な時間。